その時。
日本橋三越での授業を終えてお昼をいただいた後、僕は東京メトロ三越前駅の地下にいた。
「大きな地震が来ます」とのアナウンスの後、大きく揺れ始める地下街。
一斉に地上へ向かう人たち。
大変なことになったのは瞬時にわかった。地下鉄がすぐに全線ストップ。大きな余震が続く状態で情報もなく、僕はしばらく地下で様子を見つつ大きなビル内のほうが安全かと思い、しばらくその場にとどまることに。
夕方になっても首都圏は電車が全線運休。携帯はつながらないまま。
まだ夜の授業があったのだけど、まずは妻のところへ向かってみようと思い、歩いて東京駅へ。
すでに歩道は人の波。混乱は増しているようだった。
丸ビルで妻と合流。運良く近くにいて本当に良かった。
ビルにある大型スクリーンに映し出された被災地の様子を初めて見て、事態の深刻さに愕然とした。
妻の仕事もこの状況では継続不可能、ということで、妻と妻の同僚と三人でかろうじて動いているバスを待つことに。
動いているとは言え、バスに乗れる人数は限られている上に、時間が経つにつれて道路も渋滞でバスそのものがなかなか来ない状況に。
どんどん冷え込む中、4時間並んだものの、夜になって電車が動き始めた、との情報でなんとか電車で帰宅。深夜2時。
それでもとにかく家族が無事で良かった。
あったかいお風呂と、あったかい布団のありがたみが身にしみた。
帰路。
東京へ帰る時間がやってきた。
もうちょっといたい、もうちょっと楽しみたい、と思うくらいがちょうどいいのだと言い聞かせながらチェックインカウンターへ。
これから20時間以上かけて、東京へ戻ります。
経由地は往路と同じくドバイ。
ただ、カサブランカ発が遅れたため乗り継ぎは急ぎ足でギリギリ。
地上に降りたと思ったら、すぐにまた空の上へ。
カサブランカ #2。
マラケシュの魅力にものすごくハマっているのだけど、、、時間に限りがあって、もうカサブランカに戻らなくてはならない。
マラケシュは空港にも細かい装飾が施されている。
星の模様が印象に残る。
後ろ髪をひかれる思いで飛行機へ。
マラケシュには是非また旅をしたい。
山に近かったマラケシュから、海沿いの街カサブランカへ。
予約時にハネムーンでの滞在だと言っていたのを憶えていてくれて、なんと無料で最上階の海の見える部屋へアップグレードしてくれた。
嬉しい。
マラケシュだけじゃなくて、カサブランカにもまた来なくては。
カサブランカはやはり都会。
スーツを着たビジネスマンとか、欧米のスタイルで歩いている人がとても多い。
街の壁がピンク色だったマラケシュと違い、ここは壁の色がどこも白い。
海沿いの街だということを感じさせてくれる。
標識はマラケシュにもあったのだろうけど、あまり気にならなかった。
スークや市場ではもちろん見かけることはなかったし。
こういうものの多さで、ここが都市だということを再認識する。
とにかく気候は温暖。
モロッコ滞在中、幸運なことに毎日好天に恵まれた。
好みはあると思うけど、モロッコ料理は僕にはおいしい。
生活の中での選択肢は少なそうに見えたけど、笑顔の人は多いし、親切な人も多い。
活気があって、しあわせを実感できる国だと思った。
また必ず訪れたい。