最期の瞬間。 [壁画 / Mural Painting]
出講前に通りかかったら、まさにこれから柱が壊されようと言う、本当に壁画最期の瞬間に出会ってしまった。
つくづくこの壁画には縁があったと思う。
必ず、この壁画を超える壁画を描きたいと思う。
考えない。 [壁画 / Mural Painting]
現代美術の特徴のひとつは「作家が生きてること」。
この壁画も橋脚補強工事で半壊・全壊したとしても作家自身はもちろん現役なので描き直すことができるはず。
最初に描いたときも予算なしで描いたのだから、描き直すのも予算なしで実現可能な計画。
描き直しを提案しても、工期が延長するとその分だけ予算がかかるだとか、何かと理由をつけて及び腰な担当者。
この壁画を残すためのアイデアなら、予算をかけなくてもいくらでも出せるはずなのに。
計画通りに実行しようとすることだけが正しいとは限らないのに。
途中で検討し直したってかまわないはずです。
思考停止の恐ろしさを改めて感じます。
裸の都市。 [壁画 / Mural Painting]
人はなぜ、買い物や観劇、美術鑑賞をしたいと思った時に、パリであったり、イタリアの都市などに向かうのでしょうか。
東京よりも治安は悪いし、インフラも東京と比べたら整ってるとは言いがたいのに、それでも行きたいと思ってしまうのはなぜでしょうか。
それは行政も含めて、アートやファッションを大切にしているからではないでしょうか。
東京都が行ったストリートペインティング事業も、ヨーロッパの各都市に負けない魅力を生み出すきっかけになる事業だったはずでした。
著名なアーティストが作品を作ればそれだけ予算が必要になってしまいますが、若手アーティストを起用することで予算をかけずに東京に文化的財産を作り出すこと、そして長い年月をかけてその財産を守り育ててゆくことで、やがて文化的先進国に追いつくことができる、、、はずでした。
残念なことに事業開始わずか5年で、このような工事のためにその理念は潰えようとしています。
いずれここに無機質な白い壁が立ち上がった時、東京がいまだ文化的後進都市だということをあらためて思い知らされるのでしょう。
幕の中。 [壁画 / Mural Painting]
駒沢公園・陸橋橋脚の壁画、一旦囲いが外れて、しばらくぶりに壁画が顔をのぞかせました。
「これ何のために工事してるの?」と話しながら通りがかられた方もおられました。
自壊。 [壁画 / Mural Painting]
バス停に向かう度にここを通るので、嫌でも壁画のことを思い出します。
先の大戦で、各都市が空襲で焼かれる中、京都は文化の力で空襲の標的にならずに済んだとか。
今の東京はどうでしょうか。
行政が自ら文化を壊している現状、、、空襲以前に自滅です。
関連記事:壁画 / Mural Painting
http://web-sahara.blog.so-net.ne.jp/archive/c2301108549-1
密室。 [壁画 / Mural Painting]
きっとこの橋脚補強工事は数年前から準備されていたにもかかわらず、壁画制作者に何の相談もなければ話し合いすらない状態で、直前になって「工事をするのでご理解ください」とだけ一方的に通告するやり方。
その中であろうことか、「かつて有楽町にあった都庁舎を壊す時にも同じように岡本太郎さんの壁画をはじめとしてたくさんの作品を破壊して移転した」と堂々と言い放った担当者のいたこと。
これから先、僕は制作する作品を通してこの現状を変えてゆかなくては。
封。 [壁画 / Mural Painting]
とうとうシートで覆われてしまいました。
ここから中の様子は窺い知ることはできません。
今週の壁画。 [壁画 / Mural Painting]
いよいよ足場が組み上がってきました。
橋脚がほぼ見えなくなりつつあります。
足場で描いて、足場で壊す。 [壁画 / Mural Painting]
東京都の計画で作られた壁画が、東京都の手で壊されようとしています。
都庁内の、文化に理解のある人たちによって作られ、文化に理解のない人たちによって壊されます。
名ばかりの文化。 [壁画 / Mural Painting]
東京都はかつて、有楽町にあった都庁舎を壊す時にも岡本太郎さんの作品をはじめとして、多くの作品を壊して新宿に移ったとのこと。
今も昔と考え方は変わってなさそうです。。。