マラケシュ。
朝、カサブランカ発のモロッコ航空に乗ってマラケシュへ。
カサブランカでは緑色の衣を着ていた北アフリカの大地も、マラケシュへ向かう40分のフライトの間に茶色い素肌が目立ってきた。
上空からは茶色に見えていたマラケシュは、地上に降りてみるとどこもピンク。
壁も、建物も、土や砂さえもピンクに見える。
どこまでも青い空と、ピンクの街。
ホテルの内装はモロカン様式。
そしてここがイスラム圏であることを感じさせてくれるのは、ホテルの部屋にもメッカの方向を示す矢印があること。
それは飛行機の中のテレビモニターでも見ることができた。
マラケシュの強い日差しに照らし出される花たち。
日差しのせいだけではないのかもしれないけど、とにかく色彩が鮮やか。
旧市街のスーク。
まるで迷路のような町並みの中に、小さなお店が軒を並べている。
その間を自転車やバイク、さらにはロバの荷車がすり抜けてゆく。
モロッコでは猫が過ごしやすそう。
どの猫も人を避けない。
当たり前のようにそこにいるし、人もまた猫を追い払ったりしない。
完全に街の一部になっている。
迷路の所々に色が溢れている。
明暗だけでなく、ステンドグラスの色の組合わせにも眼を奪われる。
どっちに行くかも迷う。
迷路の地図は持ってないので、その時の気分で行き先を決める。
壁に溢れる色彩。
配置のバランスもすでに1枚の抽象絵画のように決まっている。
ロバの背はそんなに高くないので、ふと横を向くとちょうど目の前にロバの顔があったりする。
大きな顔にけっこう驚く。
モロッコといえばやはりミントティー。
特徴は砂糖をいっぱい入れること。
迷路のような市場の中を歩き回った後の一杯は、心地よく身体に染みわたる。
カフェにも猫。
足もとには何匹も近づいてきて、この美人さんはいつの間にか僕たちと相席してくつろいでいた。
絨毯もこの小径の美しいファサードになっている。
それぞれの通りには業種ごとに特色のある表情が並んでいる。
扉はとにかく重厚な造り。
装飾もイスラム様式で、抽象的な模様は星であったり、月であったり細部まで美しい。
一軒一軒違うので、扉を見て歩くだけでも面白い。
ジャマ・エル・フナ広場。
夕方になるとどこからともなく屋台が増えてくる。
その数はとにかく多い。
相当遠くからでもこっちに来いと呼びかけてくる。
大道芸人もとにかく多くて、まるでお祭りだ。
広場から少し歩くとモスク。
この近くに王宮もあるらしいのだけど、残念ながらこの日はすでに閉門後。
王宮の周りをぐるっと歩いたのだけど、王宮は広く、王宮の外周はさらに大きかった。
城壁の上にいる大きな鳥を見ながら歩いたのだけど、どこまで歩いても城壁だった。
マラケシュが面白くて、ついつい歩きすぎてしまった。
ひさしぶりに足がパンパンだ。
ホテルのベッドが待ち遠しい。